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今こそノストラダムスの人生を振り返る。大外れした大予言とその後の世界

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医師であり占星術師、そして予言者でもあったミシェル・ノストラダムス。

彼の功績は数百年にわたって多くの人々に衝撃と興味を与え続けてきた。

彼の名前を一度でも聞いたことがある人は多いだろう。特に1999年7月に世界が滅びるという「ノストラダムスの大予言」は、20世紀末に世界中で大きな話題となった。

また、彼が残した予言は、現在も解釈され続けており、都市伝説やオカルト、さらには歴史考察の題材としても人気がある。

しかし、彼自身がどのような人物だったのかは、あまり広く知られていない。

本記事では、ノストラダムスの人生や予言、そして現代に至るまで社会に与えた影響について解説していく。

ノストラダムスの人生

まずは彼の幼少期の成長と教育について見ていこう。

ノストラダムスことミシェル・ド・ノートルダムは、1503年、フランスのプロヴァンス地方に生まれた。彼の家族はユダヤ系であり、後にキリスト教へ改宗したとされる。

当時、フランスではユダヤ人への迫害が激しく、ノストラダムス自身も改宗を余儀なくされたそうだ。

また、彼は幼少期から数学や天文学、医学、占星術といった幅広い学問に興味を示し、祖父から古代の知識を学び、知識を蓄えていった。

ノストラダムスの医学と家族との別れ

1529年、ノストラダムスはモンペリエ大学で医学を学び、医師の資格を取得した。

当時、ヨーロッパではペスト(黒死病)が猛威を振るっており、彼も医師として各地を巡りながら治療にあたった。

ペストの治療で成果を上げ、特に効果的な薬草や予防法を提案したらしく、当時の人々からは感謝や尊敬を集めていたといわれている。

しかし、その過程で彼は家族を疫病で失うという悲劇に見舞われ、これが彼の人生観や思想に深い影響を与えたと考えられている。

占星術と予言の活動

ノストラダムスは医師としての活動を続ける一方で、占星術にも深い関心を抱くようになった。

1540年代に入り、彼は占星術師としての活動を始め、自らの知識や直感を元に未来を予測するようになったそうだ。そして彼の予言は、著書『予言集(Les Prophéties)』としてまとめられ、1555年に出版された。

この書物は、4行詩の形で書かれた数百の「詩」で構成されており、これらが未来の出来事を暗示する内容として解釈されている。

ノストラダムスの予言は、フランス王室や貴族の間でも評判を呼び、彼はフランス王アンリ2世の妃カトリーヌ・ド・メディシスに招かれ、宮廷で占星術を披露したこともある。

これにより、世へ名を馳せたノストラダムスは、予言者としての地位を確立したのだ。

ノストラダムスの予言の特徴とその解釈

ノストラダムスの予言は、非常に曖昧で解釈が難しい内容となっている。

なぜなら、4行の韻文詩(クアトラン)の形式で書かれており、一見すると意味がはっきりと分からないようになっているからだ。

たとえば、地名や人物名は具体的には書かれず、象徴的な表現や暗喩を用いている。

これにより、時代や事件ごとにさまざまな解釈が可能となっており、後の世代の人々がそれぞれの歴史的出来事と結びつけて解釈する形となったのだ。

1999年の世界滅亡の予言

ノストラダムスの予言で最も有名なものの一つが、「1999年7月」に起こるとされた、世界滅亡の予言だ。

これはProphetiesという書物に書かれた詩の一つであり、「1999年、7の月、空から恐怖の大王が降り、アンゴルモアの大王が復活するだろう」という内容となっている。

ノストラダムスの著書「Propheties」

はっきりと滅亡するとは明言していないものの、多くの人々が「1999年に世界が滅亡する」という解釈を生み出した。

特に20世紀末に入ると、この予言は世界中で注目を集め、日本でも書籍やメディアで取り上げられ、当時の人々に大きな影響を与えた。

しかし、1999年が過ぎても大規模な災厄は起こらず、この予言の解釈には懐疑的な意見も多く出されるようになった。

一説では、この予言計算ミスにより1999年ではなく、21世紀のどこかで起こるとも噂されている。

ノストラダムスと歴史事件の関連

ノストラダムスの予言は、20世紀においても「ナポレオン戦争」、「ヒトラーの台頭」、「ケネディ暗殺」などの歴史的な出来事と結びつけて解釈されてきた。

彼の予言集には「東からの脅威」、「独裁者の出現」といった曖昧な表現が含まれている。

繰り返しになるが、これが後の戦争や政治的な事件とすり合わせて、あるいは「こじつけ」として考えやすかったのである。

ノストラダムスの予言が社会に与えたインパクト

ノストラダムスの予言は、未来の不安を掻き立てる一方で、多くの人々にとって興味深いものでもあった。

特に「終末予言」としての彼の言葉は、人々の恐怖と好奇心を刺激し、予言の内容に関心を集めた。

彼の予言は都市伝説やオカルトのテーマとしても語られ、映画やテレビ番組、書籍などで多く取り上げられている。

また、日本でもノストラダムスの予言は1970年代から1990年代にかけて大きなブームを巻き起こした。

特に作家・翻訳家の五島勉が「ノストラダムスの大予言」という書籍を出版し、1999年に世界が終わるという内容を広く伝えたことで、日本国内で一種の社会現象が巻き起こった。

学校で「世界の終末」に関する話題が取り上げられたり、メディアでも「人類の終わり」をテーマにした特集が組まれるなど、多くの人々がこの予言に興味を示したのだ。

21世紀以降のノストラダムスの影響

1999年の「世界滅亡」が訪れなかったことで、ノストラダムスの予言に対する関心はやや薄れてしまった。

しかし、彼の名は依然として予言者の象徴的な存在として残っている。

21世紀に入っても、彼の予言は陰謀論やオカルト、都市伝説として語られ続けており、新たな解釈が生まれるほど人気を博している。

ノストラダムスの予言の科学的観点

ノストラダムスの予言を科学的に検証することは難しい。

しかし、その曖昧な表現と象徴的な言葉の選び方は、現代の心理学や社会学からも興味深いものとして見られている。

特に、人々が未来の不安を予言に投影しやすい心理が作用していると考えられている。そのため、ノストラダムスの予言がさまざまな時代や状況において、多くの人々にとって興味や恐怖の対象になりやすいといわれている。

彼の予言の曖昧さが解釈の幅を広げ、多くの歴史的事件や人物と結びつけられる背景には、「人間は不確実な未来に対する答えを求めがち」という心理的な傾向が関係している。

また、予言の内容が未来への不安を煽ることで、社会的な不安や緊張感が高まることも少なくない。

ノストラダムスの予言が持つ象徴性

ノストラダムスの予言が現在も都市伝説やオカルト、エンターテインメントの題材として語り継がれているのは、彼の予言が持つ「象徴性」、言葉を変えると「曖昧さ」によるものだと言える。

予言そのものが「何かの象徴」として解釈されやすく、その解釈次第で無数の可能性が考えられるため、時代を超えて人々の関心を集め続けている。

例えば、ノストラダムスの予言は単なる終末的な未来像だけでなく、「歴史は繰り返される」という暗示や、「人類が抱える危機」というテーマを象徴するものとしても解釈できる。

彼の予言は、未来に関する疑念や恐怖、そして未知なるものへの興味を喚起し、私たちが生きる世界の複雑さや不確実性について再考する存在でもあるのだ。

ノストラダムスの人生・まとめ

ノストラダムスが遺した予言は、過去だけでなく現代に生きる私たちにとっても話題の尽きないトピックとなっている。

彼の予言は科学的に証明されたわけではなく、その内容は不確実な部分が多い。

しかし、未来への不安や好奇心を持つ私たちにとって、ノストラダムスの予言は一種の「未来への注意喚起」としての役割を果たし続けている。

ノストラダムスという存在は、終末論や都市伝説の枠を超え、「未知の未来に対する人間の想像力」を象徴するものとして、今後も語り継がれていくだろう。

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